尺度
「尺度をもって仕事をしなさい」とよく言われる。ここでいう尺度とは、あらゆる作業等に必要とされる人員、時間の目安の事である。
尺度は「心のものさし」であり、その種類は多く、精度は高いほど良い。尺度はその人の経験によって積み重ねられる。
僕にとっての尺度、「心のものさし」は、「ボブサップ」である。僕は目の前の物の長さを概算したい時、「○メートルの間隔をあける」必要がある時など、ボブサップの幻影を縦、横に並べたり、時には半分に割って使用する。
なぜこのような習慣がついたのか。それは、小学生の頃ボブサップが家にいたからである。
正確に言えば、ボール紙で作られた、ボブサップの等身大の看板だ。突如母親が、働いていたパチンコ店からボール紙のボブサップを持って帰ってきたのである。(当時、ボブサップのスロット台が稼働していた。)
彼は玄関から家に入って真正面に見える位置に設置された。ボール紙のボブサップには小さなセンサーとスピーカーが付いており、前を通ると「オレ二、カッテミロ!!!」と挑発してくる。どうしても通らざるを得ない位置にいるため、1日に10回以上はボール紙に挑発される。
なかなかイライラした。このままでは誰かがぶっ倒しかねないので、ボブサップは我が家に迎えられてから1週間も経たない内に電源をオフにされた。不憫なボール紙の男である。
電源は切られたものの、ボブサップは3年以上は我が家に鎮座していた。これだけ長いこといれば、もはや彼は1人の家族である。ボブサップは僕の家族だったのだ。
しかし、彼は引越しのついでに分解されて捨てられてしまった。何の感慨も湧かなかったのが、まぁボール紙だし仕方ない。邪魔になるものなら家族だろうが分解して捨ててしまう、人間の残酷さを思い知った。
それからボール紙のボブサップの事は忘れて生活していたのだが、それから約7年後に彼を思い出すことになる。
僕は国を守る緑色の服の組織の一員となっており、そこで「重い荷物を背負って長い距離を歩く例のイベント」を初体験することになった。ただ歩くのにも、行列に爆弾をぶち込まれて全滅しないために、各人の距離を空けろという教育があった。
「各人間隔は5mだ」と言われた瞬間に、僕の頭の中にボブサップ2人と、上半身が瞬時に縦に整列したのでクッソ笑いそうになり、プルプルしながら堪えたが、「おい、何ニヤニヤしてんだ!!」と怒号を飛ばされてしまった。僕は悪くない。悪いのはサップだ。
行進の途中、前の人間と自分との間にずっと2人半のボブサップを思い描いて歩いていた。ぼーっとしていると「オレニ、カッテミロ!」という挑発が聞こえた気がした。
それから、何かの長さをイメージしたり、測ったりするときはボブサップを召喚している。2mのものさしは大変便利で、とても手放せる代物ではない。
とまぁ、雑多になったし話にオチはないのですが今日も西船橋の最強セクキャバ・花より男子は元気に営業中でございます。1週間を戦い抜く力を、今ここでチャージしてボブサップのようにモリモリ元気になってはいかがでしょうか!!!
美味しいお酒ときゃわわな女の子が貴方をお待ちしております!!